A M C O 知見ライブラリ
☆ 現場に宿る知、未来へつなぐ普遍工学 ☆ 
July 7th, 2025:Grand Open
 

私たちは「ものづくり」に人生をかけた者たちの、知恵と経験のライブラリを作ろうとしています。
これから100年、「AI」がどこまで進化しても、最後に現場で物事を判断するのは “人間の勘”です。
これまで私は半世紀に渡り、造船所から商社、そして起業して、ものを造る現場を歩んできました。
そこで仲間と培った知恵と経験を「普遍工学」と名づけ、未来に継承するプロジェクトを始めます。

「普遍工学とは」

「普遍工学」とは、特定の業界や職種に縛られず、技術・組織・人間の営みを“原理”から見つめ直す思考法です。
 私はこれまで、造船から商社、そして50代での起業を経て、常に現場の判断と工夫に価値を見出してきました。
時代が変わり、AIやIoTが進化しても、現場には「判断の迷い」や「経験による最適化」が必要です。
 それを言語化し、後世に残す――それが私の考える「普遍工学」です。

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― 新たに届いた話題、現場からの知見をお届け ―

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★25-08-05:本日公開★

”四つの話”を改め” 四つの窓 ”
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特別寄稿
Special Guest Essay 

Mr. Niels Roed 
Procurement Executive/Former Managing Director
APM Crane & Engineering Services 
ニールス・ロード 氏
元APMクレーン&エンジニアリング社長/調達プロフェッショナル

Roed-san
at the Shanghai Maersk Office (2018)

ニールス・ロード 氏
元APMクレーン&エンジニアリング社長/
調達プロフェッショナル。1946年デンマーク生まれ。
1971年よりA.P.モラー・マースク社に勤務し、
調達分野のプロフェッショナルとして54年間にわたり活躍。
   デンマーク本社および各国で複数のリーダー職を歴任し、
2008年からは上海に駐在。マースク中国調達部門の立ち上げ、
同社クレーン&エンジニアリングサービス社の社長を務める。
また、APMターミナルズと中国ZPMC社との戦略提携において
アライアンス・コーディネーターとしても貢献。

Receiving Honor Medal
in Copenhagen (2023)

Mr. Niels Roed
Procurement Executive / Former Managing Director, APM Crane & Engineering Services Born in Denmark in 1946, Mr. Roed has dedicated 54 years (since 1971) to A.P. Moller-Maersk, specializing in procurement across multiple global leadership roles. In 2008, he was stationed in Shanghai, where he helped establish Maersk Procurement China and served as Managing Director of APM’s Crane & Engineering Services. He also played a key role as Alliance Coordinator in the strategic partnership between APM Terminals and China’s ZPMC.

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専門記事
― 現場の知と技 ―

Lashing Gear

コンテナ固縛システム

Container Lashing System
「荒れる海をゆく、確かなシステム」
– コンテナ船を守るシステム、縁の下の力持ち – ”その歴史を紐解き、いざ自動化の未来へ!”
[Enterで記事は"note"に!】
"A Trusted System for Tempestuous Seas."
– The unseen force securing container ships – “Tracing its roots to navigate the age of automation.”
【Read on note – now in “Lashing”!】
 

Mentenance

保全管理システム

Maintenance Management
「現場と共に設備の声を聴け。」
– 故障ゼロをめざす、予知と保全のしくみ –
”メンテ管理こそ人と資産と会社を守る盾と矛”
 [Enterで記事は"note"に!】

"Listen to the Machinery,
Stand with the Field."
– Predictive maintenancetoward zero failures –
“Maintenance is both shield and spear
for people, assets, and the company.”
【Read on note – now in “Lashing”!】

Offshore Repair

沖修理日誌

Offshore Repair Journal
「船を生かすも殺すも、兵站しだい」
– 神戸港で紡がれた、“仲間と技”の修理録 –
”孤高の男が力をあわせ、板子一枚守り抜く!”
 [Enterで記事は"note"に!】
"A Ship’s Fate Hinges on Its Logistics."
– True repair tales born in Kobe,
of comrades and craft –
“Lone wolves united,
guarding life above a single plank.”
【Read on note – now in “Lashing”!】

03

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" 四つの窓 "
Four Waves & Four Windows
― Sailing into knowledge through four unique portals ―

船の話
Ship
人の話
People talk
”もの”の話
Things
余談ながら
By The Way
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航海の前に(Before the Voyage)

このライブラリには、現場で得た“勘どころ”や“判断の癖”といった知見を記録していきます。
・【第001報】現場に宿る知見とAIの限界(PDF)
・【第002報】Galleyの福笑い設計術(PDF)
今後も、引退した仲間たちの記録や、自分の体験を少しずつ追加していく予定です。

【第001報】「はじめに」

 なぜ私が、このライブラリを始めようと思ったかというと、それはやはり「AI」の登場である。

世の中、親方日の丸で始まった「働き方改革」、あるいは「人出不足」のせいか、とかく事故が増えた(あきらかにケアレスミスという意味で)と、新聞・TVを見るにつけ思うからである。

 思うに、いくら「AI」が進化して人間の仕事を熟すとしても、彼らが「現場」に出て働くことは、まずない。例え製造現場に優秀なロボットを並べても、必ず「Trouble」は起こる。それに対処するロボットも作れば良い、といっても限度がある。最後は、生身の人間が臨場せねばならないだろう。

 その時、その「Trouble」を時間・費用・結果的に巧く対処できるか否かは、その人間の力量次第であり、経験に基づく知見が要る。例え、それらをビデオに撮って、AIに覚えさせたとしても、常に機器は進化を続け、その結果現場は変遷していく。また地政学的にも、必ず千差万別が現実である。

 

 そこで私の経験に基づき、「普遍工学」と銘打って、「知見ライブラリ」を始めるものである。       (注:分野を越えた“ものづくりの原理”を見つめ直す思考法、それが私の言う『普遍工学』である。) 

 これは私事ながら、学業に倦んだ高校時代、想いつくまま学園祭で「竹の船」を作って以来、気がつけば半世紀以上「船がらみ」で飯を喰ってきた私が、最後に手掛ける「もの造り」である。それは同じ仕事仲間の知見を集め、それを世の中に提供し、ついては次世代へ引き継ぐ「もの」である。

 船は、荷主と船主と銀行がいて、造船所とメーカーが造り、第三者の検査を受けて市場へ送り出す。

船が運ぶ「もの」は、社会に必要なありとあらゆるものであり、また人間そのもの。船には目的があって、それを大勢の創意工夫を集めて造り、大勢の力を集結して安全・安心に運行すべきものである。

 この「知見ライブラリ」が、すべからく「船を造る知見」をして、少しでも社会の役に立つことを熱望する。そのために、ひとりでも多くのロートルの知見を集め、それを集約していきたいと考える。願わくは、この試みがこれから引退する諸君の励みとなり、次世代の若者の参考になれば幸いである。

 2025年5月吉日

 AMCO代表 小林 正典  

【第002報】「福笑いで描く図面」

 「船を造る」というのは、あまり耳馴染みのある話ではない。ただ「ものをつくる」といえば、それは一般的であり分かり易い。故に、「ものづくり」の参考となればと思い、以下に知見を述べていく。

 船は運ぶ荷や航路によって「船種」が違う。だがそれは筋が違うので、ここは「造る」に集中する。

 船を造る工程は、おおまかにいって「設計」・「建造」・「進水」・「艤装」・「試運転」と続き、その全般に置ける「検査」に合格して、初めて「引き渡し」となる。ただこれも、いわゆる「ものづくり」の過程としては、あらゆるものに共通した工程であり、船の場合は、それが大がかりな点だけ他とは違う。

 私が初めて設計したのは、コンテナ船であった。もちろん船の場合は建築と違って、ひとりで設計することはない。設計も「計画・基本・艤装・船殻・配管・電装」など、多岐に渡る。

 思い出深いのは「カリブ海向け」のコンテナ船である。契約早々米国は New York から、高名な設計会社の若手技師が造船所に赴任した。さっそく建造仕様書に基づいた「承認図」を出すと、監督室に呼ばれた。そこで監督に言われたのは、「この図面では小さいので書き直せ」だった。

 出した図面は Galley(=賄室)配置図。カリブ海向けの船で、Range・Heater・Ovenなど、乗組員三十数名の船だけに、けっこう広い部屋だが、機器が所狭しと並んでいた。それをA3の紙に”1/100”のスケール(2mのTableが図面上20mm)だった。これを監督は「”1/10”で描け」という。つまり2mのTableであれば、図面上で200mm(20cm)となり、A0の紙が必要だった。

 私は抵抗したが、監督の言うことは絶対。それに追加で、部屋全体の図面とは別に「各機器の切り絵を用意しろ」と言う。数日後、それを持っていくと大きなテーブルに広げて、要は”福笑い”である。目隠しはしないものの、料理人の動線に従って、最も効果的な機器の配置を探り出したのである。

 この経験は、その後長く私のキャリアーを支えてくれた。それは、設計する者は機器の用途を覚え、それを使う人の使い勝手を考え、現場に沿った図面を描かねばならない、ということである。その心構えは、大学で教わった?かも知れないが、現場で見る彼の手法は、まだ20代前半であった私の脳みそを大きく揺らした。以来私は、なにごとも”現場重視”を旨とした。「三つ子の魂、百までも」ではないが、今もあの技師に感謝している。

 正にこの様な経験を、次世代の設計者に伝えていきたい。

 (了)/文・小林正典

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