「客船建造の醍醐味」第2話
船上に「暖簾街」を造ろう!
「顧客が団塊の世代なら、
船上で夫婦喧嘩が始まる前に――」
と、私は自案を喋った。
〝暖簾街とオフィイス街を設けては!〟
夕暮れ、場所は英国パブ、
イングリッシュガーデンを前に、
アンチークな造作の部屋で。
「午前中、旦那は事務所。
奥さんは観劇、エステに。
そして夕刻、旦那は暖簾街へ――」
――そうすれば、喧嘩は減る――。
船上に日常があれば、皆安心する。Mr. Niels Roed
ニールス・ロード
(日本語プロフィール)
Mr. Niels Roed
ニールス・ロード
(English Profile)
レーベル名:三神工房出版
発行者:小 林 正 典
筆名:船 木 千 滉
(ふなき ちひろ)
amco.m.kobayashi@gmail.com
所在地:兵庫県神戸市垂水区
「母の死」
母が亡くなった。
享年92歳。
私は母と共に、70年以上生きて来た。
それは幸せなことであり、
生ききった母に感謝である。
葬儀を終え、出棺の前の最後の別れ、
私は自分の歳を忘れて、
「おかあちゃん、ありがとう」
と、声なく死に化粧を施した母に告げた。
この歳で「おかあちゃん」と呼ぶ自分に
呆れながらも、
緩む涙腺を止められなかった。
私の人生が、あとどれだけ続くのか、
それは分からない。
ただ、その生き様をして、
これから行く道を示してくれた母。
今はもう、
そちらにいる亡き父や祖父母と共に、
穏やかに過ごしてほしいものである。
さて、今日からまた机に向かう。
己の生き様を、静かに続けていこう。
(了)/ 文・小林正典
2026-1-20